「いってきま───あっ!」

「……げ、」



お隣さんとはいえ、学校がないと二色くんには会えないから、月曜日の朝は比較的テンションが高めのわたし。

二日ぶりに二色くんに会えるぜ!とルンルン気分で玄関のドアを開けたら、隣の家のドアも開いた。



朝一番で会えるなんて、今日の運勢は最高だ。


今日もかっこいい、わたしの好きな人。

わかりやすくテンションが上がって目をきらきらさせるわたしに対し、二色くんはというと、わたしを見るや否や「げ」って顔を歪ませた。


そりゃひどいぜ二色くん。
わたしじゃなかったら泣いてるからね?



「おはよう二色くん!」

「……はよ」



二色くんの朝は気まぐれ。

早く学校に着いて優雅に本を読んでいる時もあれば、澄ました顔で遅刻ギリギリに来たりもする。


二色くんに会えるか会えないかで、わたしが毎朝ちょっとだけドキドキしながら家を出ていること、二色くんは知る由もないんだろうな。