「……脅しとか、見かけによらずタチ悪いんだねあんた」
二色くんが呟く。はぁあ……って大きくて深いため息。
結果的には脅し……みたいになっちゃったけど!でも、この気持ちはホンモノだから!
その気持ちを込めてじっと見つめると、二色くんはバツの悪そうな顔をしてくしゃくしゃと襟足を掻いた。
「……わかったよ。トモダチね、一応」
「一応じゃない!正式に!」
「なんでこんなにグイグイくんのこの人……こわ……」
若干引かれたような気もするけど、そこには知らないふりをして。
年の暮れ、わたしが二色くんを好きになった日。
こうしてわたしと二色くんはオトモダチになった、というわけである。
ちなみにこの恋心は親公認。
半年経った今でも全然相手にされていないわたしを見て、ママは「二色くん手強いねぇ」と笑うのだった。