「綺春くんたいへんだ!今日は雷が落ちるらしい!これはともに夜を越さないといけないのでは!?」



秋──光が眩しい夕方、放課後の帰り道。



隣を歩く綺春くんにそう言えば、「その嘘もう通じないよ」と軽快にスルーされた。

くそう、流石に晴れ過ぎて通じなかったか。




「一緒に居たいならそう言えばいいのに」

「うっ……? それは綺春くんでは?」

「何言ってるかわからない」

「ううううん……」



口では冷めたことばかり言う綺春くんだけど、わたしの右手はしっかりちゃっかり繋いでるから、ホントにもう……好き。