二色くんと夜のせい





「え、え? キスしたの、綺春くん」

「…した」

「い、いつ……?」

「木嶋さんがうちに泊まった時。…我慢できなかった」

「がま……っ、!?」




ふと思い返す、あの夜のこと。



朝起きて最初に問われた『木嶋さん、覚えてない?』の質問が、たった今、わたしの中にぴったりはまった。



「えっ、あっ…!? あれってもしかして…!」

「……やらかしたの、木嶋さんじゃなくておれ」




「ごめん」と再び謝られて、ぽぽぽ……と一気に顔が紅潮していくのが分かった。



今更知った事実に、恥ずかしくて死にそうだ。


黙っていた綺春くんも綺春くんだけど、なにより好きな人からの口付けで目覚めなかった自分が憎い。


おとぎ話じゃ、王子様のキスで起きるのがヒロインなのに……!