二色くんと夜のせい






「……木嶋さん、さ」

「うん?」

「……今日のこと……ぜったい誰にも言わないでくれる」




暗がりの中でもわかるほど真っ赤な顔。怒ったような、拗ねたような……ううん、恥ずかしそうな。


そんな表情をした二色くんに、わたしは完全に心肺停止。



……ラブどっきゅんってこのこと?

わかんないけど、ドキューン!って心臓一刺しされた気分だ。



今のは反則。二色くん、可愛すぎるよ。

こんなの、好きになっちゃうじゃんか。



「言わない!言わないよ!」

「…ならいいけど」

「言わないけど!代わりに!友達になろっ!?」

「……は?」



咄嗟にでたのは交換条件だった。


二色くんとはマンションのお隣さんなのに、これまで学校じゃ全然話したことがなかったから。

今日が終わったらまた 他人みたいに接点が無くなるのが寂しかったのだ。



ママはそんなわたしに呆れてため息を吐くと、何かを察したように「ママ先帰ってるからね〜」とだけ言って戻ってしまった。


流石わたしのママだ。
わたしのこと、なんでもお見通し。