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「恋那って強運そうに見えて意外と不運だよね」
「アオちゃんそれは馬鹿にしてるの…?」
「いや、決意した日に限って掃除当番はかわいそうだなって…」
───放課後になった。
綺春くんと話をすべく、一緒に帰ろうって誘おうと思っていたのに、今日に限って掃除当番だったことをすっかり忘れていた。
しかも担当場所は体育館につながる廊下。
校舎の端にあるから、掃除自体は楽でも行って帰ってくるのに時間がかかる場所だ。
綺春くんは比較的帰り支度がゆっくりで、一人の時はよく図書館に寄って帰ったりしているけど、それも毎日ではないから、掃除している間に綺春くんが帰ってしまう可能性は否めない。
放課後になる前に誘っておけばよかった……と後悔しながら、部活に向かうアオちゃんとは手を振ってわかれた。



