『多分、おれじゃなくても良いんだと思う』
わかってた。綺春くんが嘘をついていることくらい。あの言葉が本音じゃないことくらい、わたし、ちゃんとわかってた。
ただ、綺春くんにそんな言葉を言わせてしまったことが悔しくて悲しかっただけなの。
「恋那と二色くんのことだから、ふたりで話しないとなにも変わらないとおもう」
「うぅ、うんんん……ありがとうぅう…」
「大丈夫だよ、恋那と二色くんなら。だってふたり、もうずっと他の人の入る隙なんかみえないもん」
アオちゃん、わたしと同じ恋愛初心者だったはずなのに、いつの間にか先輩みたいだ。
「アオちゃんイイ女すぎてやっぱり三船先輩にわたしたくない…」と抱き着けば、「わたしはずっと思ってたけどね」とツンデレのデレの方を発揮された。
……かわいすぎて心臓撃ち抜かれちゃった。
「夏休み、また4人でどこかでかけようよ」
「え!?行きたい!」
「たのしいこといっぱいやろ!」
「アオちゃんすきぃぃい」
今日、どうにかしてでも綺春くんと話をしよう。
───そう、心に決めた、お昼休みのこと。
お昼休みの残りの時間は、アオちゃんと三船先輩の惚気話をいっぱいきかせてもらって、幸せそうなアオちゃんを見てわたしもうれしくなった。



