二色くんと夜のせい





「恋那、ホントやさしいよね。相手のことばっかり考えてる」

「やさしくないよずるいんだよ…」

「でもきっとそんな恋那だから、二色くんも放っておけなかったのかも」




ぽんぽん…とやさしく頭を撫でられる。


俯いていた顔をあげると、「まあちょっと拗らせすぎてるとは思うけどね」そういってアオちゃんは困ったように笑った。




「二色くんが素直じゃない人だって、私より恋那のほうがわかってるでしょ?」




こくり、頷いた。




綺春くんはホントはけっこうワガママで、計算高くて、わたしの反応を見て楽しんじゃうようなちょっといじわるな人。

器用なふりして、素直じゃない自分を誤魔化そうとしたり、不器用なところがある。

だけど結局やさしくて、わたしのことを放っておかない。



気まぐれでまるで猫みたいな綺春くんは───わたしのことを甘やかしてくれるし、甘えてくれる。




好きなの、全部。もう自分じゃどうにもできないくらい、大好きなんだ。