二色くんと夜のせい










「全面的に二色くんが悪いと思うけどなぁ…」




先週の放課後に綺春くんとの間にあったことを話すと、アオちゃんは腕を組んで唸った。



「…でも、わたしが過信しすぎてたのも良くないというか…、綺春くんにちゃんと告白もしてないのに調子に乗っちゃってたし、バチが当たったのかも」

「ええぇそれはないよ絶対……、恋那頑張ってたもん」

「それにわたし……泣いちゃったもん」




傷ついた時に流す女の子の涙はずるいと思う。


それがダメなことってわけじゃないけど、男の子だって内心泣きたい気持ちになっている時はあると思うし。


実際これまで読んだことのある少女漫画でも、「泣きたいのはこっちだよ…」って、ヒロインがいなくなった場所でひとり呟くヒーローを見たことがある。



恋愛のことで綺春くんの前で泣くのはやめようって密かに思っていたのに、いざ本人を前にすると嬉しい時も幸せな時も悲しい時も、感情が勝手に動いてしまう。



……だけどやっぱりあの時泣いたのは、わたしがずるかった。


その場を走り去る前に見た綺春くんの顔が───泣き出しそうな顔だったから。