「なんかね、『とりあえず付き合ってみないとわかんなくね?』って言われて。ああたしかにそうかもなあって」

「それはたしかに言えてるけど……」

「ね? 先輩、良くも悪くも適当だからさ、私も深く考えるのやめて流れに任せてみようかなって思ったの」



部活一筋だったアオちゃんからそんな言葉を聞く日がくるなんて。


うれしい反面やっぱりちょっと寂しくて、「わたしのことわすれないでね……」って泣き真似をしたら「あたりまえじゃん~」って頭を撫でられた。



「そんなことより恋那でしょ? 今週になってから一回も二色くんと絡んでないよね」

「うっ……そ、それはその」

「あのね、恋那も二色くんもわかりやすすぎるから。なんかあったことくらいすぐわかるって」




ううう、恥ずかしい。

普通を装っていたつもりが、全然隠しきれていなかったみたいだ。