「ビビっちゃったんだね綺春くん」
「……おれまだなにも言ってないんだけど?」
「だからぁ。わかりやすいんだって」
咲が呆れたように笑う。
うわ、なんかホント全部見透かされているみたいで悔しい。
からんからん…と氷を揺らして麦茶を飲み、渇いた喉を潤す。つめたい液体がからだに流れて気持ち良い。
「……なんか、冷静になったんだよ」
「それはつまりどういう意味で?」
「…おれと一緒にいたら木嶋さんを困らせるばっかりで、そのうち愛想つかされそうって」
この一週間、木嶋さんは朝も帰りもおれのところにこなかった。
広報委員で任された仕事が忙しいことも、その関係でA組の久保とペアになって作業をしていることも、見ていればわかることなのに、まるで木嶋さんを撮られたみたいに寂しくなって、勝手にひとりで不機嫌になっていた。



