二色くんと夜のせい






ふと、アオちゃんが前に言っていたことを思いだす。




『恋那も、二色くんのこと好きならわかるでしょ?』

───トクベツなんだよ、恋那のことが



「…えっ、と」

「ありゃ、ホントに全然わからんかった感じ? 結構有名なんだけどな、木嶋と二色」


言葉が出てこなかった。


だってそんなの​──────期待しないわけがない。



「……ありがとう…」

「ん? おう、何のお礼かわからんけど。応援してんぜ」



絞り出した小さな声でお礼を言うと、久保くんはにかっと爽やかに笑った。



「てかはやく帰ろうぜ。木嶋ってクレープ食える?」

「え? あ、うん」

「今日15日じゃん? 駅んとこのクレープ今日半額なんよね、お疲れってことでいかね? あそこ女子ばっかで行きづらいんだよね……」

「たしかに、女のコばっかりだよね。全然いいよ〜」

「っしゃー!」




​それからわたしたちは広報誌お疲れ様会と称して、下校がてら駅前のクレープ屋さんに寄って、通常価格の半分の値段で顔くらい大きなクレープを食べた。