二色くんと夜のせい





「わたしも一緒に探します!」

「え?」

「あの、ただわたしちょっと門限があるので、一旦荷物だけ置きに帰っていいですか!?あの!猫ちゃん見つけたいけどママに怒られるのも嫌なのです!」

「……」

「2分で戻りますので!とりあえず二色くんはこのまま捜索を続け──……て?」




クイッ、とコートの裾を掴まれて、不自然に言葉が途切れた。

理解が追いつかなくて、「ほぇ…?」と間抜けな声が出る。




「え、う……っ?に、二色くん?」



なん……なんですか、この状況は。


動揺を隠しきれないままそう言うと、二色くんはわたしの腕を掴んだままフイっと目を逸らした。



掴まれた腕にぎゅううぅと力が込められる。

おおぉお?
痛い痛い、皮膚がちぎれそうだよ。



「……え、あの」

「なに」

「なに、とは?」



俯いたまま、二色くんはわたしの腕を離そうとはしない。

まるで​───行かないでって、言われてるみたいだ。