「やったね久保くん!終わった!頑張ったねわたしたち!」

「な。まあほとんど木嶋のおかげだけど」

「そんなことないよ!?久保くんいっぱいインタビューしてくれてたもん!」



完成した広報誌を見つめながらそういえば、「褒め上手だな」と久保くんに笑われた。

……うーん、お世辞じゃないんだけどな。



「やっと放課後の時間返ってくるわ」




そう言って久保くんがぐーっと伸びをする。


放課後の時間が返ってくる。本当にその通りだ。


この一週間、朝はともかく帰りは一度も綺春くんと一緒に帰れなかった。


普段から約束しているわけではないけれど、学校じゃそう多くは話せないから登下校の時間で綺春くんとふたりきりの時間を確保したかったわけで。


わたしにとっては三度のご飯より大切な時間を広報委員の仕事の影響で一週間も奪われていたことになる。

仕方ないけれど、綺春くんにもらっているエネルギーがずっと不足している感覚があった。