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「……心臓の音、すごい」
「っ、言わなくていいです綺春くん……」
綺春くんの部屋。綺春くんのベッド。シングルだから、ふたりで入ると少し狭くて心臓の音が響く。
わたしの勘違いが招いた展開。
一緒に寝ることになって、寝相良いなら木嶋さんが外側ねって先に綺春くんがベッドに入って、それから。
「…おいで、木嶋さん」
───って。
女の子なら生きているうちに100回は言われたい言葉を綺春くんinベッドでお送りされ、三途の川を渡りかけた。
……危なかった。死因は綺春くんって……いや普通にありそうだけど。
好きな人と同じ布団をかぶって眠る。
夢じゃないかと疑ってしまうけれど、これがちゃんと現実だって思えるのは───綺春くんの温もりに包まれているからだ。



