「大丈夫…ていうか、大丈夫にならないとだし」
無理してほしくない。
怖いものとか苦手なものとか、克服するには心身ともに体力を使うと思うから、急がなくても良い気がするの。
綺春くんが今夜を無事に超えることができる手段はないわけじゃないけど、でも。
好きな人にこれを言うのは───…
「……じゃあ、木嶋さんが今夜は一緒にいてくれる?」
え、と声が洩れた。
だって────わたしが今、頭の中で考えては消そうとしていた思考と同じだったから。
びっくりして瞬きを数回。チョコちゃんを抱きかかえる綺春くんの姿は変わらずそこにある。
「……て、ごめんやっぱ嘘……」
「──っいいよ!」
───取り消される前に、わたしは食い気味で頷いた。



