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「……おれが、小学生の時の話なんだけど」
「うん?」
「留守番してたらさ、雷でブレーカー落ちて停電したことがあったんだ」
リビングのソファに隣り合わせで座り、チョコちゃんの背中を撫でる綺春くんは、昔の話をしてくれた。
綺春くんがまだわたしとお隣さんじゃなかった頃──このマンションに引っ越してくる前にあった幼少期のこと。
季節は冬で、陽が落ちるのが早かった時期。
外はまるで夜のように暗くなる。
ご両親が帰ってくる時間がだいたい17時から18時で、当時小学3年生だった綺春くんはひとりで留守番ができるなったばかりだったという。
その日、雷の影響で停電した時、怖くなった綺春くんはチョコちゃんを抱っこしようとした。
しかし、チョコちゃんも停電に驚いたのか部屋のどこかに隠れてしまったみたいで、暗闇の中、綺春くんはチョコちゃんを手探りで探すことにした。
けれど、その最中、棚に身体をぶつけ───置いていた花瓶が割れてしまったそうだ。



