二色くんと夜のせい






「…え?」



こわい?


怖いって、綺春くんはいったいなにが───…




───ゴロゴロ、ピシャッ



雷が落ちる音がした。雨音がいっそう激しくなる。



綺春くんの苦手なもの。

わたしが知っているのは夜と、暗闇。このことは幼馴染の三船先輩も知らなくて、わたしだけが綺春くんの弱点を共有している。



けれど、何がどう苦手とか、どこが怖いとか、そういう込み入った話は今まで一度も聞いたことがない。


綺春くんの家は共働きで、普段はチョコちゃんと綺春くんがふたりで居ることが多いんだっけ。



《……、木嶋さん、》

「き、綺春くん」


《おれ、ひとりは怖い……》