「も、もしもし…」 少し震える声で電話に出たが、返事はなかった。 テレビの音のようなものが聞こえるから、通話が繋がっていることは確かのようだけど、肝心な綺春くんの声が聞こえない。 「…綺春くん?」 《……》 「もしもし? 綺春くん、聞こえる?」 《……》 「え、えっと、どうし───」 《……こわい……、》 ようやく耳元で聞こえたのは───今にも泣きだしそうな、弱弱しい声だった。