二色くんと夜のせい





ママと雑談しながらわたしも麦茶に口をつける。



すると、そのタイミングでテーブルの上に置いていたスマホが振動した。

視線を向けて、そこに表示されていた名前に心臓がわかりやすく音を立てる。




二色 綺春。

わたしの、大好きでたまらない人の名前。



今日は朝も帰りもあまり話すタイミングがなくてちょっとだけ落ち込んでいたし……なにより、綺春くんの方から電話がかかってくる機会はそうそうないから嬉しさのなかに驚きもあった。



「ママ、わたし…ちょっとだけ電話でる」

「はあい、煎餅食べるのやめておくわね」

「いやべつにそんな気にならないからいいよそれは……」



ママにひとこと断りを入れて、すうっと深呼吸をして、それから応答ボタンを押した。

綺春くんとの電話はまだまだ慣れなくて緊張してしまう。