『えっと、……おやすみなさい』
『うん。おやすみ』
『……』
『…うん?』
名残惜しい、けど。ホントはもうちょっとだけ声を聞いていたい、けど。
『えっと、……じゃあ切──』
『直接伝えたくなったら、電話してきてもいいよ』
『え』
『じゃ、おやすみ』
次の言葉を伝える前に電話は切られた。
もう繋がっていないスマホをギュッと握りしめて、ベッドの上で悶える。
連絡先を交換した時にわたしが言った、『気持ちは直接伝えたいから電話したくなっちゃうかも』ってやつ。
おぼえていてくたことへの嬉しさと、恥ずかしさと、綺春くんへの好きって気持ちが相まって、その日はなかなか眠りに付けなかった。
・
・



