ぱっと顔を上げると、見たことのない男の人がふたり。多分、わたしよりは年上の……大学生くらいだと思う。
黒髪の人は比較的爽やかそうな雰囲気で、茶髪の人はフレンドリーそうな雰囲気。例えるなら、三船先輩と、綺春くんの容姿をした三船先輩って感じ。
とは言え、わたしもさすがにばかじゃないので、ベンチにひとりで座っている女に声をかけてくるってことはナンパかも? っていう疑問くらいはちゃんと抱ける。
案の定、「一人なら一緒にどう?」と聞かれたので、わたしは首を横に振った。
「わたし、人待ってるんです」
「それって彼氏?」
「うっ……とも、…ともだち…です……」
綺春くんのことを「ともだち」としか紹介できない事実が悲しくて、語尾がどんどん弱くなる。



