弄られると思ったら恥ずかしくて、わたしは近くの空いた席に座った。
綺春くんが当然のようにわたしの隣に座る。
……こういうところだ、綺春くんは。
さりげなく距離を詰めるのが上手いの。本人にそんなつもりがあるかどうかは分からないけど。
「ごめんって。木嶋さんみてるとつい。捕まえておかないとどっか行きそうだし」
「ええ……? そんな小さい子供じゃないよわたし……」
「遊園地とか特にじゃない? 迷子にならないようにね」
「大丈夫だってば……!」
───……って。
《…木嶋さん、なにしてんの?》
「いやぁ、えーっとですね……」
《今行くから、ぜったいそこから動くなよ》
「ハイすみません……」
ホントのホントに迷子になっちゃうなんて、流石にわたしもびっくりだ。



