そんなやりとりをしていたらあっという間に利用者が多い駅にたどり着き、満員だったのが嘘のように車内はすかすかになった。
すぐさま綺春くんから身体を離し、体温があがった身体を覚ますように手のひらを扇いで風を送る。
「……顔まっか」
「だぁっ!? わざとですか!?」
「木嶋さんがつらそうだったから助けただけ」
「その節はどうも!?」
「どういたしまして?」
完全に弄ばれてる…!
ふんっと顔を逸らし、車内を見渡してアオちゃんと三船先輩の姿を探す。
ふたりは少し離れた席に座っていて、にやにやしながらわたしたちを見ていた。
いつから見られていたのかわからないけれど、なんとなく察するに……わたしが人の波から守られてたところから、のような気もする。



