「きっききき綺春く…っ」
「ちょっと我慢して」
「あっ、う、……うん…」
綺春くんがそういって人混みからわたしを守るように包み込む。
おじさんに舌打ちされることもないし、さっきより呼吸も断然しやすくなった───いやいや、逆だ。
ドキドキしすぎて心臓止まりそう。綺春くんとこんなに近い距離になること……今までほとんど無かったもん。
やっぱり綺春くん身長高いなぁとか、こういう時迷わず優しくできちゃのうのが綺春くんなんだよなぁとか。
今まで何度も思ったことだけど、それでも思い返すたびに愛おしくてきゅんとなる。
恥ずかしさで俯いていた顔をあげ、綺春くんの顔を盗み見ようとして───…
「大丈夫?」
バチ、目が合った。



