「そこ、座っていいよ。飲み物入れてくる」
「あ、ありがとう…」
そう言ってキッチンに向かった綺春くん。言われた通りにソファに腰を下ろし、なんとなく家の中をぐるりと見渡す。
白が基調の、透明感のある明るい室内。
綺春くんのおかあさまがコーディネートしたものだとは思うけれど、綺春くんの雰囲気にもよく合っていて、綺春くんの家にきている実感がじわじわと湧いてくる。
ふと、棚の上に飾られている複数の写真立てに目がいった。多分……綺春くんの子供の頃の写真。
わたしは思わず立ち上がり、並べられた写真をじいっと見つめる。
まだ生まれたばかりの頃、幼稚園のお遊戯会、小学校の運動会、家族でテーマパークに行ったとみられる写真。
昨日、三船先輩の家で見せてもらった写真は、あたりまえだけど三船先輩と一緒に映っているものが多かったから、今わたしが見ている幼少期の綺春くんは未公開のお宝だ。
かわいいかわいいかわいい。
生まれてきてくれてありがとうエンジェル。



