二色くんと夜のせい







「さては二色くん、わたしと帰りたくてしかたないのでは?」

「毎日しつこくストーカーされて迷惑って思ってるよ」

「またまたぁ」

「…ホント、勘違いも(はなは)だしいね」




外見だけじゃない。

全部ひっくるめて、二色くんだったからわたしは好きになったんだ。




「……二色くん大変だ。忘れものしてる」

「え?」


「大事なものだよ!絶対忘れちゃいけないやつだよ!」

「スマホもあるし財布もあるけど」


「ふっふっふ」

「……え。なに、こわい」


「二色くんの忘れ物はわたしの恋ごこr」

「やっぱひとりで帰るねバイバイ」


「まっっっって二色くん置いてかないでぇえええ!」





​───これは、二色くんを恋に落とすまでの わたしのスーパーポジティブな恋の備忘録(びぼうろく)である、まる!