堂くん、言わないで。



“俺はカッコ悪いと思わないけどね、みくるちゃんのこと”


その言葉がうれしくて、なんだかほっとして。

ついつい涙が出ちゃったんだ。


……ちょっと、チャラいけど。

でも柏木くんの言葉には重みがあった。



「なんだろ、目から鱗だったって言うか……ああ、こんなわたしにも優しくしてくれてるなって、感じたっていうか……」


そう言いながらさっき言われたことを思い出していると、またしてもじわりと目頭が熱くなってきた。


あ、やばい。

思い出し泣きだこれ。



すでに脚は退けられていた。


壁に背をつけて、ずるずると座りこみながら目元を押さえる。


肯定されることがこんなにもうれしいだなんて、思ってもいなかった。


ぽたぽたと木の床に染みこんでいく、わたしの涙。


それを目で追っていると、ふいに顔を持ちあげられた。



同じ高さにあった堂くんの視線と、

……視線が絡みあう。