そんな堂くんとの関係はまあそれなりに良好で。
本当にわたしを湯たんぽ代わりにして、抱いて眠るときもあれば雑談をするときもある。
いまのところ誰にも目撃されていないと思う。
学内でうわさが出回っていないからおそらく大丈夫なはず。
堂くんも大人しいし、やなことはしてこないし。
ただ人との距離感バグってる節はあるけど、そこさえ耐えればとくに問題はなかった。
わたしの心臓に毛が生えていたらいいんだけどね……
ともかく。いまのところ引き受けてしまったことに後悔はしてない。
そのうち彼が飽きてくれるまで。
もうすこし付き合ってあげてもいいかな
……とは思ってる。
──────ドンッ、
「あっ、ごめん!」
「え、わっ……!」
そんなことを考えていたら、前から走ってきた男の子とぶつかって。
転びはしなかったものの、持っていたノートやら問題集やらを落としてしまった。



