「……いいなぁ」
どうやら言葉に出ていたらしい。
耳の後ろから低い声が響いた。
「お前も行ったらいーじゃん」
「そう簡単に言えないんだよう」
「従順チキン」
「さ、最悪!」
なんてあだ名を増やしてくれたんだ。
ゆるくふたつに結んだ髪を持ちあげられる。
自分の淡い色をしたそれが視界に入った。
「な、なに……?」
「なんであいつらと一緒にいるわけ?」
「あいつらって……ルナちゃんたちのこと?」
「正直、合ってないんじゃねーの」
「なっ、そんなこと────」
反論しようとして、わたしは動きを止める。
……ルナちゃんたちと仲良くなったのは、2年生の4月。
だからまだ1ヶ月くらいしか経ってなかった、けど。



