いい?と確認をされるけど。

そんなの、聞かれるまでもなく。



「いいよっ……ぜんぶ、全部あげるから」


嬉しくって、まだ信じられなくて。


わたしはいつも堂くんがしているみたいに。

両手をひろげて、だけど待ちきれずに。

自分から堂くんに抱きついた。


勢いあまって、ふたりして後ろに倒れこむ。




「わたしをずっと離さないで」

「……死ぬまで離さねーからな」

「っ、うん!」




まるでわたしたちを祝福するように、光の粒がふわりと舞い上がる。

だけどいくら綺麗で幻想的でも、それは埃に違いなくて。


思いっきり吸い込んでしまったわたしたちはお互いに何度かくしゃみをしたあと、ふたりして笑いあった。





「堂くん。大好きだよ」



ふたり分の体温がじんわりと混ざりあう。


まるで氷が溶けていくように。


ゆっくり、ゆっくりと。



愛おしい人の体温が伝わってくるのを感じた。