「……それは」

「ん」

「わたしにしか…できないことなの?」

「まあ平熱37度だしな」



放課後。

ばいばいを言うよりも先に教室を出ていったルナちゃんたち。


今日はみんなカフェでお茶するんだって。

もちろんわたしは行くことができない。


あのなかにわたしがいなくたって、だれも困らない。



「堂くんはわたしがいなかったら困るってこと?」

「なに、さっきから。面接?」


冗談めかしたように笑っていた堂くんも、わたしが本気で訊いていることがわかったのか。

すこし押し黙ったあと、

……ほおに手を添えられた。




「──────困る」


いままで氷を握ってたかのように冷たくて、大きい手。