堂くん、言わないで。



わたしがじっと見つめても堂くんは視線を逸らすことはない。


人の目を見るのが苦手なわたしはすぐにギブアップ。

またしてもふい、と逸らしてしまう。



「どーせ押しつけられたんだろ」

「っ……押しつけられてない、もん」

「じゃあ自分から言ったんだ?」

「なんでそういう方向で話をすすめるの」


すべてを見透かしているような堂くんから離れるように、書架のあいだを移動する。


罰といっても、いますぐ先生が確認に来るわけじゃないらしい。

もしすぐに確認が入るんだったら、ルナちゃんたちも先に帰ったりせず、一緒に残っているだろう。

気にせず帰ったのは、先生が確認に来るのは全校生徒が帰ったあとだから。



「そこにいたら埃かぶっちゃうよ」

「お前、俺のこと忘れてんだろ」


忘れるって、なにを?

堂くんがそこにいることはちゃんとわかってる。


首をかしげると、はあとため息をつかれた。