わたしは用があるから、と担任の先生に呼び出されていた。
お昼ごはんを食べ終えて、なんだろうと職員室に入った矢先、
デスクに座っていた先生にがしぃっ、と肩をつかまれた。
『もう安藤しか残ってないんだ。俺は文化祭の実行役員も決められないポンコツ教師……そんな俺を助けてくれ、安藤みくる!もうどうしようもない!お前が最後の砦なんだ!文化祭、楽しみだろ!?』
『いえ、そんなに楽しみでは……』
『楽しみだよな!?な!?高2の文化祭がいちばん楽しいぞ!なっ!?』
『は……はい』
『言った!言ったな!じゃあ女子の文化祭実行役員は安藤に任せるからな!乗りかかった舟だからな!先生が沈没するときは安藤の足も引っぱっていくからな!これぞ一蓮托生、死なばもろとも!!』
『えっ、あ、はい』
なんというかもう、終始圧倒されて。
先生の必死さに……というか、完全に常軌を逸している目だった。