「俺にはいつも我慢してるように見えたよ」
「わたしが……?いつ?」
「どうかな。ずっとかもね」
棗くんは思い出すようにつづける。
「みくるちゃん、夏祭りの日だって泣きそうだった」
「うそ」
「ほんと。ずっとうわの空ってわけじゃないけど、ふとしたときに悲しそうな顔してた」
「ゴジラだったのに?」
「ゴジラでもわかるほど、伝わってきてたよ」
言われるまで気づかなかった。
わたし、そんな顔してたんだ。
お面越しでも伝わってしまう悲壮感を出してたんだ。
「ここで質問です」
いきなりだった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…