「俺にはいつも我慢してるように見えたよ」

「わたしが……?いつ?」

「どうかな。ずっとかもね」


棗くんは思い出すようにつづける。



「みくるちゃん、夏祭りの日だって泣きそうだった」

「うそ」

「ほんと。ずっとうわの空ってわけじゃないけど、ふとしたときに悲しそうな顔してた」

「ゴジラだったのに?」

「ゴジラでもわかるほど、伝わってきてたよ」


言われるまで気づかなかった。

わたし、そんな顔してたんだ。

お面越しでも伝わってしまう悲壮感を出してたんだ。



「ここで質問です」


いきなりだった。