麗しの竜騎士は男装聖女を逃がさない



「俺たちの関係……ですか」


 ハーランツさんの声が無意識に漏れた。

 小さなつぶやきの後、筋肉質な腕がこちらへ伸びる。流れるように腰を抱かれ、力強く引き寄せられた。

 側頭部に手を添えられたと理解した瞬間に、首筋に柔らかい唇が押し当てられる。サラサラの黒い髪が頬に触れて、ふわりと甘くセクシーな香りが鼻をくすぐった。

 ちりっとした痛みに体を震わせると、小さな水音とともに薄い唇を離したハーランツさんが、私の腰を抱き寄せたまま口を開く。


「これ以上の説明が必要ですか?」


 全身の体温が急上昇する。

 今、首にキスをされた?

 わずかに感じた彼の熱が、触れた箇所から広がっていく。

 熱い。信じられないくらい顔が熱いわ。こんな不意打ち、私まで衝撃が大きい。心臓に悪すぎる。

 イグニス副団長も面食らったようで、しばらく硬直をしてまばたきをしていた。

 数秒後、茶髪の彼は勢いよく吹きだす。


「ははっ! まさか惚れた女を騎士団に引き入れてるなんてな! あっははは、こりゃあとんでもないスクープだ」