「やっぱり、異端の弟子も規格外だ。恐ろしく強いぞ」
「中堅の騎士もやられちまった。何者だ、あいつ」
うーん、目立ちすぎている気がするわ。任務に参加するためには仕方がないけど、視線が痛い。
午前の連戦を終えて、休憩時間にハーランツさんの元へ駆け寄った。
優雅にサンドイッチを食べていた彼は、こちらに気づくなり、ご自慢の子猫をあやす。
「さすがですね、聖女様。午後の三試合も勝ち進めば、公務への参加資格が与えられます」
「ハーランツさんが特訓に付き合ってくださったおかげです。もう少し頑張れば、一緒にお仕事ができますね」
実は、武闘会の開催が知らされた日から、私たちは夜な夜な裏庭で特訓を重ねていた。言霊の魔力を使う前に倒されないために、模擬刀で剣術を教わったのだ。
実力のあるハーランツさんに稽古をつけてもらったせいか、自分より図体の大きい相手にはどう立ち回るか、剣を振るときの隙はどこにあるかなど、様々なコツを掴めた。
試合の勝利は、まさにふたりで勝ち取ったものである。



