麗しの竜騎士は男装聖女を逃がさない


「武闘会の仕組みはだいたいわかりました。でも、なぜ私が勝ち進むことをお望みなのですか?」

「護衛に同行してもらいたいからです。俺は異端なのでトーナメントにも入れてもらえず、初めから公務への参加が決まっていますので」


 チート級の戦闘力は勝利が確定しているから、武闘会に出ても無意味と判断されたのだろう。

 その日の訓練でオルデン団長からも武闘会の説明があり、一大イベントの開催によって騎士団に浮かれた空気が流れはじめる。


 やがて一週間の時が経ち、ついに当日。城の大広間にトーナメント表が貼り出された。

 十ある寮がバラバラに組み合わさっており、対戦相手に一喜一憂する騎士で溢れている。

 Bブロックにアルティア=ミメーヌの名前があった。初戦は同期で入団した新人の騎士だ。いわゆる、嫌がらせに加担した騎士の名前がズラリと並ぶ光景に、つい顔をしかめる。


「よぉ、アルティア」


 頭に思い浮かべていた新人騎士が声をかけてきた。その顔は自信に満ち溢れており、格下の相手をなめているのがひしひしと伝わってくる。