疑いの眼差しは、謎を解き明かそうとする好奇心も見え隠れしている。
このままではまずい。女だとバレたら、ここにいられなくなる。
そのとき、ぱっと手が放された。警戒して見上げる私に、好奇心に駆られた声が耳に届く。
「なにも取って食うつもりはねえよ。ただ、他人に興味がないあのハーランツが自ら側に置く人間がどんな奴か気になっただけだ。俺は、必ずお前の秘密を暴いてやる」
「じゃあな」と書庫を後にする背中に眉を寄せた。野良猫のごどく気まぐれな彼に目をつけられるとは厄介だ。
本能のままに好き勝手行動する彼は、オルデン団長のみに従って副団長の座に収まっているが、本来は野生の勘が鋭い戦闘狂である。
軟派で女慣れをしているせいか、性別をすぐに見分けられてしまいそう。
『必ず、お前の秘密を暴いてやる』
一度抱いた不安は書庫の整理に没頭してもぬぐいきれず、別れ際に告げられたセリフが頭に焼き付いて離れなかった。



