なるほど。ハーランツさんが自分の寮を持っていないのは、階級を飛び越えた規格外の戦闘能力を持っていたからだったのか。
ダイヤモンドのはめ込まれた腕章も、他の騎士とは違っていた。異端と呼ばれる彼は、集団の中にいながらも孤高の存在であるらしい。
そりゃあ、ひと蹴りで合成獣を吹っ飛ばす戦いぶりを見れば納得だ。
「まさかハーランツが弟子をとるとは思わなかったけど、お前らは似た者同士だよ。六年前、入団試験の存在も知らない男が、まるで道場破りみたいに“騎士団に入れろ”って門番を吹っ飛ばしてやって来てな」
「もしかして、その道場破りがハーランツさんだったのですか?」
「ああ、団長も驚いてたぜ。あんなずば抜けた身体能力を持った奴は今までいなかったからな」
知らない過去の話に興味が惹かれる。
あのクラシック音楽を流しながらコーヒーを飲む姿が似合う彼が、昔は少しヤンチャなタイプだったとは、想像がつかない。



