茶色の短髪にオレンジ色の瞳。体格も良く、女性に好かれそうな整った顔立ちの男性があくびをしながらこちらを見た。
「ん? お前、ハーランツのとこの子猫じゃねえか」
「い、イグニス副団長。ここで一体なにを?」
「ここ、オルデン団長に見つからない隠れ家なんだよ。休憩にちょうどいい」
どうやら、頼まれていた仕事をこっそり抜け出して昼寝をしたまま、夜まで眠りこけてしまったらしい。
休憩と言う名でこんなにも堂々とサボる人を初めて見た。
最終試験のときから感じていたが、副団長である彼は自由奔放で気分屋な性格であるようだ。
作業に取り掛かったものの、興味を持たれたのか、側を通るたびに話しかけられる。
「しかし、本当に背が小せえな。筋肉もないし、ひとりで合成獣を三体も仕留めたとは思えないぜ」
「運が良かっただけですよ。僕はまだまだ経験が足りませんし」
「ハーランツとは上手くやってるのか? あいつ、物腰柔らかなくせして基本的に対人関係にドライだろ?」
「そうなんですか? とてもいい人で、優しくしてもらっていますよ」



