麗しの竜騎士は男装聖女を逃がさない



 頭上で青い瞳が丸くなった。

 やがて、小さく息を吐いた彼は、欲情の熱を帯びた挑戦的な表情に変わる。


「試してみるか?」


 勇気を出して喉に口付けると、そのまま背中を抱かれて、うなじを大きな手で包まれた。

 理性が崩れかけ、噛み付くようなキスが降る。


「煽ってくれるな。もう帰してやらない」


 やや口角を上げて、自らの上着を脱ぎ捨てた彼の色気は、くらくらするほどだ。

 まるで獲物をとらえて放さない獣みたい。

 緊張よりも、会えた喜びの方が大きかった。やっと近くに居られる。ずっとふたりで過ごす時間を待ちわびていたんだ。

 もう、我慢は必要ない。下っ端騎士のアルティアではなく、彼の妻になるミティアとして触れられる。

 唇が重なり、心地よい体温に包まれながら、最愛な人との時間は穏やかに過ぎていった。

 こうして偽りだらけの関係は幕を閉じ、私だけの竜騎士は唯一無二の旦那様になったのだ。





*完*

完結後を描いた
ハーランツ視点の甘い番外編
ファン様への感謝を込めて限定公開予定