答えはずっと前から決まっている。
「はい、喜んで。あなたと生涯ともにいたいです」
答えを聞くなり、抱きしめられた。
温かくて安心する、たくましい腕だ。やっと彼の元に帰って来れた。
神殿に集まった民衆から、わっと歓声が上がり、ロウも涙を流している。
「すまない、ミティア。このまま連れ去ってもいいか」
耳元でささやかれた吐息が熱い。顔を上げた先で、色香をまとった真剣な表情が映る。
ドキドキして心臓がどうにかなりそう。
嘘も、復讐も、過去の傷も、多くのしがらみを乗り越えた今、私たちを阻むものはなにもない。
恥ずかしさをこらえて頷く私に、ハーランツさんは再び魔力を解放し、黒い翼を広げた。
飛び立って数十分後、たどり着いたのはアルヴ国の城だ。
正面の門から東に位置する塔のバルコニーに降り立った彼は、流れるようにヒトの姿へ戻って私を横抱きにした。
大きなガラス戸を開けて中へ入り、白いカーペットが敷き詰められた床を歩く。
「ここは?」
「俺に割り当てられた自室のひとつだ。エヴィニエも使用人も、ここには来ない」



