飛びついた私を抱き止めたのは、再会を夢にまで見た彼だ。
頭ひとつ分高く筋肉質な体つきも、優しげな眼差しも、全てが心を震わせる。
「やっと迎えに来れた。待たせたな」
感極まって、涙が溢れる。
馬車で半ば強引に連れ去られて、国を守るために好きでもない男性と結婚するはずだった私の未来が、こんなにも素敵なものになるとは信じられない。
嬉しくて、どうしようもなく幸せだ。
「聖女様、そのお方は……!?」
追いかけてきたロウが、目をまん丸にして声を上げた。サハナ国の民も、全員が私の答えを見守っている。
紹介の言葉に、迷いなどない。
「彼は私の大切な人です。共にサハナ国を守り続けてくれた、誰よりも優しく、信頼できる方なんです」
紹介が終わるや否や、ロウに歩み寄ったハーランツさんは、深く頭を下げて続けた。
「初めまして、ハーランツ=レオポルトと申します。あなたはロウさんですね。ミティアからよく話は聞いております」
「レオポルト! 長年姿を消していたアルヴ国の王子が国へ帰ってきたとは聞いていたが、もしかして、貴殿が?」
「はい。そこにいるエヴィニエの息子です」



