麗しの竜騎士は男装聖女を逃がさない



 女性に勧められて、ひと口含む。

 すっきりとした味わいで、澄んだ匂いが鼻から抜けた。ほんのりと甘くて美味しい。私が気に入ったのが嬉しかったのか、女性もご満悦だ。

 わらわらと里の人達が寄ってきて、酒盛りが始まる。

 数杯飲んで、体と喉がぽかぽかしてきた。飲みやすいけど、結構キツいお酒だわ。

 でも、ラグネの里の人達とは仲良くしたいし、せっかくの日にお酒の誘いを断るのは悪いかしら。

 するとそのとき、もう一杯と善意で注ごうとした女性を、ハーランツさんが優しく止める。


「すまない。残りは俺がもらってもいいか?」


 盃に注いで、くいっと飲み干した彼に、歓声が上がる。

 料理や酒を取りに向かった里の人達の背中を見送るハーランツさんに、小さく声をかけた。


「悪いな。いつもは里の民しか集まらないから、ミティアが来てくれて、みんな構いたくてしょうがないんだ」

「わかっています。たくさんお話をしてくれて嬉しいです。さっき、代わりに飲んでくださって、ありがとうございました」

「大事な話があるのに、ミティアが酔ってしまったら困るからな」