**
「ラグネ国の再建を祝して、かんぱーい!」
温かみのあるログハウスの広間で、グラスを持った人々が一斉に明るい声を上げる。
アルヴ国での一件を終えた、その日の夜。城の修繕を進めるエヴィニエ王と別れ、ハーランツさんに連れて来られた先は、霧に包まれたラグネの隠れ里だ。
ザヴァヌ王が死去した後、隠れ里に住む理由がなくなり、現在はラグネ国の再建に向けて廃墟の復興を進めることとなった。
惨禍に見舞われたラグネ国が、再び蘇ろうとしている。以前見た廃墟が元の状態に復興出来るよう、私もなにか力になりたい。
ハーランツさんと私は、長年に及ぶザヴァヌ王の脅威から里を救った英雄として、宴の中心にいた。
長老をはじめとした里の人々に、郷土料理を振るまわれ、宴は盛り上がっていく。
みんな笑っていて、楽しそう。こんな幸せなひとときはないわ。
「ミティアさん。秘蔵のラグネ酒はいかがですか? 角がなくて飲みやすい、清らかな源水を使った名産品ですよ」



