護衛に付いていた騎士が合成獣にやられたのも、自分の悪事の証人を減らし、あくまで不幸な事故とするために決まっている。
合成獣を操っているのは、ザヴァヌ王本人なのだから。
「エヴィニエ王の城に、合成獣が攻め入ったということですか?」
「ああ。聖女であるミティアが生きていると知り、暴挙に出たんだ。エヴィニエが簡単にやられるとは思えないが、国民に被害が出たらまずい」
ハーランツさんは全く心配していないようだけど、いくら不老不死だとはいえ、怪我をしたら痛いはずだ。
それに、アルヴ国をラグネ惨禍の二の舞にするわけにはいかない。
「行きましょう、私たちも! ザヴァヌ王の野望を阻止するために!」
小屋にいた騎士の処遇は保留にし、私たちは即座に研究所を出た。そして、黒竜へと姿を変えたハーランツさんの背に飛び乗る。
流星のように速いスピードで、黒い翼が風を切った。雲の下をぐんぐん進んでいく。



