外套をひるがえして玉座を出るハーランツさんを追いながら、エヴィニエ王に頭を下げる。
「またいつでもおいで」と手を振った彼が、扉の向こうに消えていった。
強烈なお父様だったな。いつも柔和な表情をしているけれど、無邪気にどんな言葉が飛んでくるかわからないところとか、怒ったら死ぬほど怖そうなところが底知れない。
アルヴ国の城門に、エヴィニエ王が手配した馬車が停まっていた。
ユニコーンが馬車を引いており、なんとも妖精の国っぽくて可愛い。空を飛ぶ馬車は、ヨルゴード国まで一時間ほどで運んでくれるそうだ。
一週間も騎士団を空けてしまったけれど、外泊の許可はハーランツさんが城に残っていたイグニス副団長に届けていたため、招待客の避難誘導の後、遠征先で師匠の私用に付き合っていたことになっている。
イグニス副団長からハーランツさんづたいに、突然古城から姿を消した私をオルデン団長が気にしていたと聞いたが、合成獣を古城の外まで追い払い、道に迷ったところをハーランツさんに保護されたと電話で伝えた。
苦しいものの、お小言を言われずに電話を終えたため、なんとか言い訳が通ったと信じたい。



