麗しの竜騎士は男装聖女を逃がさない



 彼も過去のやりとりを思い出したのか、青い瞳が揺れ動く。

 ぎゅっと抱きしめられて、びっくりする。


「まずい、完敗だ。俺があなたに勝てるわけがなかった。理性が働くうちに、この話はやめよう」

「お、終わりですか?」

「ああ。すべてに決着がついたら、話の続きをしよう」


 やっと、くっついていたい恋心より、包帯でぐるぐる巻きになっている彼の体の心配が勝った。

 すべてに決着がついたらというのは、復讐を果たしたらという意味かしら。

 どんな結末が待っているかはわからないけれど、この先ハーランツさんと離れないと決めたのなら、迷う必要はない。


「もう少しこのままでいてくれ」


 無意識に漏れたセリフは、心を震わせるのに充分だ。

 ぎゅっとされるのは好きだ。体をすっぽり覆われて、体温が心地よくて安心する。

 そんな発言をすると、また煽ったなと言われてしまう気がして、心の中に留めておいた。