その後、ラグネ惨禍が起きて国が滅亡し、隠れ里に移り住んだと耳にして里を訪れたときには、すでにハーランツさんは騎士になる実力を得るために各地を回る旅に出ていたらしい。
なんともすれ違いが多い親子である。エヴィニエ王はハーランツさんを息子として愛しているようだけど、どうやら一方通行だ。
そのとき、青い瞳が私をとらえた。
震えるほど綺麗な男性に見つめられて、視線がそらせない。
「君は、息子の番だろう?」
直球の問いかけに、言葉が詰まる。
気持ちを自覚したのはいいけれど、まだハーランツさん本人にも伝えられていない。番という呼び方は恥ずかしいし、実際、恋人でもない。
お父様の前で堂々と宣言するとしたら、私たちの関係はなんて表せばいいのだろう。片想いともまた違う気がする。
「あの、番というわけではなくて……今はまだ、ハーランツさんは私の保護者に近いかもしれません」
「うん? そうなのか? まったく、意中の女ひとり口説き落とせないとは情けない」



